人口減少社会にあっては、既存顧客のリピート需要が不可欠。
<br />そのためは、自社の利益を度外視してでも、真に顧客の為のみを考え、実際に行動し、顧客から信頼されることが必要である。
<br />CSの話では、よくあるパターンの行動指針である。
<br />本書は、これをアドボカシー・マーケティングという言葉で明確に示し、学問遡上に載せたという点で高く評価できるだろう。
<br />しかし、残念ながら、本書はここまででしかない。
<br />例えば、アドボカシーに要するコストが、それによるベネフィットをトータルで上回るようでは、アドボカシーの継続は困難だろう。
<br />企業経営の立場からは、投資対効果の観点からのアドボカシー・マネジメントの考察が欲しいところである。
押し付け販売から合意を得て進める販売へ、売りつける方式から顧客に自ら望んで購入していただける販売へ、この成功例を説得力ある事例で紹介をしている。古くは『エクセレント・カンパニー』の時代から語りつくされてきたことではあるが、新しい事例はなお新鮮で、かつ、アドボカシー・マーケティングという新たな言葉で表現される概念定義は、興味をそそる。『エクレント・カンパニー』の時代には、さまざま批判も多かった事例ではあるが、今日、新たな用語で概念化されているということは、それだけ、支持を集めているという証左だろう。
最近出版される日本人が書いたマーケティング本は、コトラーの焼き直しのような内容のものが多くうんざりしていましたが、久しぶりに革新的な本に出会えたとワクワクしました。今の時代に沿った新しいマーケティング理論を非常に体系的にまとめられていて、実際の事例も数多く紹介されていおり、実践書としても使えます。さすが数々のマーケティングの賞を受賞されている、トップビジネススクールの教授だと感銘しました。