5巻での死喰い人たちの力不足に少々期待はずれと感じたのが正直なところだった。
<br />しかし、6巻では、読者は、圧倒的な闇の魔術の力に、やりきれない圧迫感、ほとんど無力感に襲われるだろう。5巻までに敷かれた多くの伏線に隠されていた背景も次々と明らかにされて、これまで順に読んできた読者ほど味わいも濃厚で、休む間もなく一気に読み切ってしまうだろう。満足感が高い。
<br />しかし、ヴォルデモートらの闇の魔術の力はいよいよ圧倒的である。
<br />次の7巻で完結するわけだが、どうやって7巻で決着を付けるのか、6巻ですら尚新たな謎と伏線が敷かれ、原書の出版すら待ちきれない思いになってしまうというのが、このなんともスリリングな6巻の読了感である。
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スピード感のある展開、登場人物達の成長、大人達の選択、重すぎるハリーの宿命、そして意外なラスト・・・。
<br />今回も上下巻あった割に、一気に読み切ってしまい、全く長さを感じませんでした。
<br />所々で前作までの話が出てくるので、思い出すのに楽でした。
<br />たぶん、途中から読んだ人にも配慮してるのかもしれませんね。
<br />色々と感情を動かされた今回の作品で強く思ったのは、「選ばれし者」がなぜハリーなのか?
<br />というものの「答え」を自分なりに感じた、という事でした。
<br />本当に凡人な彼が持っている多くのもの。それこそが、人間として(ちゃんと)生きていくのに必要なもの
<br />なのではないかな。
<br />ここまで来たら、少しでも多くのハッピーエンドで終わって欲しい、と願わずにいられません。
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シリーズの中でもハリーをはじめとした周囲の友人の心情の掘り下げがされているよき作品だと感じました。
<br />2冊のボリュームでも一気に読ませ、退屈させません。
<br />ハリーシリーズの中でも久しぶりに楽しい一作でした。
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<br />シリウスをなくしたことによって、孤独と友情を強く意識し、また宿命とも復讐ともつかぬ気持ちをいだき、来るべき対決の時にむかって覚悟しながらも、スポーツに恋にと学園生活をおくるハリーには、今までになかった成長を感じました。
<br />また、宿命でひとが動かされるのではなく、自分の意思で切り開いていくのだという彼の発見は今後の彼の人生において、重要な意味を持つことになると思います。
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<br />ドラコが感情をもった人間らしく(マグルじゃないけど)描かれているのが一番お気に入りです。
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<br />次回作が楽しみな作品でした。