ニュージーランドに関してかなり詳しく調査した上で書いた本だな、
<br />というのがわかります。内容はざくっと述べると以下の2つ。
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<br /> (1) 「ニュージーランドは素晴らしい国だ!」
<br /> (2) 「財産防衛にはニュージーランドドルが良い!」
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<br />将来、海外移住をお考えの方、又は、日本の財政危機を不安に感じており、
<br />財産防衛を外貨(預金・ファンド等)で、とお考えの方にはお勧めです。
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<br />ただ、著者は相当思い入れを込めて書いていますので、「ほんまかいな?」
<br />と思う部分もところどころにあります。(少なくとも私はそう感じました)
<br />真剣に移住や投資をお考えの方は是非、本の内容だけを鵜呑みにせずに
<br />一度、現地に行かれることをお勧めします。
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もはや日本円だけに資産を偏らせているのは危険だよ、という意見は本書以外にもある。日本経済が強かったころはさておき、確かにもはや安全ではないのだろう。どう考えても破産しているとしか思えない日本国。破綻するにしろ、ハイパーインフレになるにしろ、日本円で資産を持っているのは非常に危険である。
<br />だから海外に分散投資しよう。という意見は良くわかる。しかし、普通はUSドルとユーロに投資するだろう。
<br />それをニュージーランドに投資せよ、というのがこの本のユニークなところ。
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<br />さらには投資だけでなく、永久ビザを取得して移住しちゃえ、という話まで出てくる。確かに英語さえ堪能なら住んでみたい気はする。せめて一度旅行してみたいと思わされる。
<br />投資ガイドであると同時に観光ガイドにもなっているところが面白い。
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<br />しかしニュージーランドもまったく問題がないわけではないだろう。いい面ばかり強調しているところがちょっとひっかかるのも事実。
<br />運用シミュレーションで、例えば「2倍の円安になった場合」はあるのに、その逆のケースは載せていない。
<br />要は、第二海援隊のビジネスの一環に過ぎないのではないか?という疑心暗鬼が沸き起こるのも事実。
<br />とはいえ、普通ではなかなか得られない情報が記載されているのも事実。
<br />自己責任で読んで解釈してください。
題名はおどろおどろしいが、内容はニュージーランドへの資産分散のお勧め話。同国の政治経済、市民生活が語られ、留学や永住ビザ取得方法といった旅行ガイドが前半。後半は預金金利や不動産、ファンド等、余裕資金に応じた資産運用のシミュレーションと解説。既に富裕層は資産逃避を終え、これからという小金持ちや成金向けにもコンパクトすぎてやや物足りないかも。先立つものが無い高級サラリーマン層が手にして、焦りを募らせるには持って来い。題名や流し読みで馬鹿にする向きもあろうが、海外資産運用は今後必須科目だ。手ほどきとしては良く出来ており、紹介されたニュージーランドの不動産屋サイトと「三井のリハウス」を比べるだけでも勉強になる。