筆者の体験に基づく相場の哲学が綴られているが、債券・為替相場に関するものが主であり、株式相場を主戦場とする私には???な内容が多々あった。
<br />私のように株式相場専門にしている方は、期待が大きいだけに、本書を読んでガッカリされる方もいるかと思います。
<br />金融に関する知識がしっかりと身についている、プロの方向きの本かもしれません。
<br />しかし価格変動の本質の章の、「ポジションの量と保有期間が方向を決める」という考え方は新鮮だった。
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日本語の関連書籍では図抜けた存在で、まさしくバイブルと言って良いでしょう。主観的記述が多い、エッセンスを詰め込み過ぎ、具体的なテクニックには殆ど触れない・・・等、特に初心者にとっては必ずしも優しい本ではなく、全てを理解するにはかなりの知識と、何より豊富な実戦経験が必要とされますが、それでも、price actionの背景に潜む論理、リスク管理の重要性、相場でsurviveするための心得等、百戦練磨の上級者のみならず、むしろ実際に取引を始めたばかりの入門者にこそ是非とも必要な数々の指針について、示唆に富む珠玉の100編で構成されています。
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<br />分野を問わず「バイブル」とされている書籍とは、必ずしも目先の実践的知識や技術を与えてはくれるものを指して言うのではなく、それ以上に貴方が生き抜いていく過程で、正しく「自分自身の生き方」を築き上げていくための羅針盤となるような存在を指して言います。
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<br />初めての取引からhappy retirementのその日まで、順風の時も逆風の時も常に立ち返り心の拠り所となる本、立ち返るたびに新しい気付きが得られ、共に成長していける本、そんな本です。
本書は種々の書評、掲示板で高評価を受けることが多い本です。
<br />一方で投資経験の浅い方は、読んでもいま一つピンとこない、内容を理解しづらい面があるようです。
<br />それは著者の言葉が深い意味を持っているからであり、一度読んだだけではその重要性に気付かない可能性があるからです。
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<br />本書のサブタイトルは、「投資で生活したい人への100のアドバイス」となっています。
<br />各々の話はテーマ毎に完結していますので、始めから順に読む、興味のあるテーマから読む、1日に1テーマずつ読む、など好きなスタイルで読み進むことが出来ます。
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<br />本書は言わば相場における哲学書です。一度で読み捨てる本では決してありません。
<br />相場において、好調な時、不調な時、迷った時、自信が無くなった時など、折に触れて読み返すことで様々な事に気付かされる本です。
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<br />本書を一読してあまり理解出来なかったからと言って悲観することはありません。何故なら、それは進歩する余地が十分にあるということだからです。
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<br />私は本書から得た教訓を糧にして、株式投資専業で生活しています。(サイト名:個人投資生活研究所)
<br />相場において一皮むけたい方に広く本書をお勧めします。