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IPアドレスとMACアドレス(Media Access Control Address) コンピュータを識別するためのアドレスとして、IPアドレスが存在します。 各コンピュータが、それぞれIPアドレスによって区別されていれば、MACアドレスなどというものは必要ないように思えます。 では、MACアドレスは何のためにあるのでしょうか? それは、ネットワークとネットワークの間にルーターがあることから来ています。 例えば、今、あるデータをホストAからホストBに向けて送信する以下のような場合を考えてみます。
上記の例では、あるネットワークにあるホストAから別のネットワークにあるホストBへとデータの送信を行おうとしています。 しかし、実際には上記のネットワーク構成から見て、ホストBにデータを送信するためには、ルーターであるルーターbを経由する必要があります。 そのため、ホストAとホストBは、ネットワーク上を直接に通信することは出来ません。 そこで、まず、ホストAから送信されたデータはルーターbに送られる必要があります。 しかし、IPアドレスだけ見た場合、ルーターbへのデータは、自分が処理すべきデータかどうかを理解することが出来ません。 送られてきたデータは自分のIPアドレスと異なるのでルーターは自分宛てのデータだと思わずに受け取らなくなってしまいます。 そこで、送られてきたデータが、自分が処理すべきデータなのかをルーターはパケットに書かれたMACアドレスを見て判断するのです。 そして、ルーターは転送の際、ルーティングテーブルに従い、転送すべきパケットのヘッダを次のルーターのMACアドレスに書き換えます。 その様子を示したものが下記の図になります。 上記のように、各ルーターは、自分の所に届いたパケットに記述されたMACアドレスのあて先を次に送るべきルーターのMACアドレスに、送信元を自分のMACアドレスに書き換えてデータを転送します。 これを各ルーターが繰り返し指定していくことでデータは相手先に届けられることになるのです。 それでは、逆にMACアドレスだけがわかっていて、それがブロードキャストされる場合はどうでしょうか。 その場合、ブロードキャストされたパケットはルーターbだけでなく、ルーターaにも受け取られてしまいます。 ルーターaは受け取ったデータを、正しいあて先であるルーターbにも送信してしまうことになり、本来一つだったパケットが二つに増えてしまいます。 このような事が起こらないようにルーターはMACアドレスがブロードキャストになっているようなパケットを転送してはならないことになっています。 以上のようにルーターは、IPアドレスではなく、MACアドレスを見ることで、自分宛てのデータであることをきちんと確認することができるのです。
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