何についてもいうな、「なくした」と。「返した」と言え
息子が死んだとな?返したのじゃ。細君が死んだとな?返したのじゃ
「不動産が奪われました」
「何とな、それも返したのじゃ」
「でも悪い男が奪ったのです」
「どうしてそれがきみの問題なのか。
与えたもうたお方がそいつを通して君から取り返されたのじゃ。
そのお方が君に与えたもうている間も、それを自分のものではないとして大切に扱え。
旅人が宿屋を扱うように」
【エピクテトス】
エピクテトス
[50?-125?]
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ローマの哲学者。父は不明。母は奴隷の身分であったといわれ、開放奴隷某の奴隷として売られる。主人のエパプロディトスによる虐待のため、跛行(はこう)者となる。その後、解放され、ストア哲学者となった。ドミティアヌス帝の哲学者追放によってエピクテトスはギリシアのニコポリスに移住し、学校を開く。エピクテトス自身による著作は無く、弟子のアリアノスによる「語録」(Diatribai)とその要約である「提要」(Encheiridion)がある。
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出典 参考文献
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エンキリディオン、古代ローマの言葉 |
古代ローマの言葉コレクション
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内容(「BOOK」データベースより) 皇帝の知恵も奴隷の思索もともに尊ぶローマ人の世界。
内容(「MARC」データベースより) 皇帝も奴隷も、賢人であれば偉大な哲学者として等しく尊重したローマ人の世界。知恵の力、思考の力を尊び、人としての大きさを評価し、ヨーロッパ文化の礎となった文明の箴言集。
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