博士号取得への道のり

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本文書は、博士号取得を目指されている方、目指される予定の方、そもそも博士号とは何なのかを知りたい方などを対象に書かれています。

 
 
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博士号取得後の進路2(職探し編:大学のポスト)

 ここでは特に大学機関で研究職を得るためのプロセスについて私自身の経験を書いていきたいと思います。

 私が博士後期課程終了後に就いていた同大の助手・助教職は全部で3年の任期がついた任期つきポストであり、任期が終わるまでには、別の職を探す必要がありました。

 手探りに活動を始めたのは、任期が切れる前年度の3月くらいからになるでしょうか。環境の変化をできるだけ少なくしたかったため、範囲としては関東圏(東京、千葉、神奈川、埼玉、茨城くらい)にしました。

 職としては、企業への就職を、あまり考えていなかったので

 大学の助教・講師・准教授職

 日本学術振興会の特別研究員

 などを主軸にして活動を進めました。

 このうち、大学機関における研究職に向けた就職プロセスは、多少の違いはあるものの基本的にはよく似ていて、

 1.自分に当てはまりそうなポストを探す。

 2.要求された書類を出す。

 3.書類選考

 4.面接

 という流れになっています。

 それぞれのプロセスは、基本的には以下のようになります。

 1.自分に当てはまりそうな職を探す。

 まず、年齢や研究分野、地理的な条件を考慮し、応募先を決めていきます。

 研究職に関する最もメジャーな採用情報サイトはJREC-INになるかと思います。

 その他関連学会サイト、学会誌などにも情報がありますので、そちらの情報も同時に見ておくのがよいでしょう。

 ピンポイントで自分の研究分野に当てはまるものはなかなかないかと思いますので、自分の研究内容をできるだけ広く解釈して、出せるものには可能な限り出してみるのがよいかと思います。

 公募がピークになるのは、9月ー11月くらいという印象ですが、常に募集はかかっていますので、頻繁にチェックするとよいかと思います。

 ピーク時には公募の締め切りがかぶることも多々あるため、一日に何通もの書類を出す。ということも珍しいことではありません。

 2.要求された書類を出す。

 求められる書類としては大体以下のとおりです。

 履歴書、業績リスト、これまでの研究の概要、研究の抱負、照会先(または推薦書)

 文字数、業績に含めるものなど、大学ごとに多少違いますが、テンプレートとして一度作っておくと他の公募に出す場合にも、その多くを流用できます。

 3.書類選考

 非常に優秀な人であれば別ですが、基本的にはそのほとんどについて面接に呼ばれないと思っておいたほうがよいかと思います。

 数十件書類を出して、一度も面接に呼ばれない。というのは割と普通のことであるようです。

 募集している職との相性もありますので、落ちたからといって自分は駄目だ。などと気に病む必要はまったくないかと思います。

 私の場合は40件以上出して面接に呼ばれたのは有期の助教職が1件、テニュアトラックの助教職が3件になるでしょうか。

 公募の中には出来レースもあるなどともいわれますが、公正な公募も確実に存在しているように感じました。 

 4.面接

 面接は、どの場合も、複数の先生方の前で、まず、研究について説明し、その後、質問という形でした。大体1時間程度でしょうか。

 聞かれたことは、募集によって異なるのですが、たとえば、以下のようなことが聞かれました。

 いつから赴任できるか。現職での授業の引継ぎは可能か。

 教育についてはどんなことをやってきたか。

 本をたくさん書いているようだが、どんな内容なのか。

 もし、今後、論文を出さないでいい。といわれても今と同じことを続けるか。

 異動の際、引越しなどは必要か。

 現在、かかわっているプロジェクトなどを、うまく引き継いでこれるか。

 研究費や研究資材は、こちらに持ってこれるか。予算を用意する必要はないか。

 研究を募集している分野とマッチするような形にシフトできるか。

 基本的には、それらの質問を通して、真摯にその人の研究に対する姿勢や人となりを見抜こうという意思が見られたように思います。

 うまく答えられる質問、答えられない質問。などあるかと思いますが、自分の持っている能力や意識について誠実に答える。ということを意識し、思うところを素直に答えるのがよいかと思います。

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