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旧石器時代と縄文時代 弥生時代以前の日本列島のあゆみを簡単に説明したいと思う。 最近の研究によれば、日本列島に人類が住み始めたのはおよそ50万年前という説がある。 その当時の生活手段はもっぱら狩猟・採集であり、人々は部族単位で生活し、土地から土地への移動を繰り返していたと考えられている。 考古学上の時代区分で言えば、「旧石器時代」「先土器時代」と呼ばれる時期である。 そして現代から1万年余り前に土器が生まれ、「縄文時代」が始まる。 紀元前1万年ごろから紀元前300年ごろまで続いたとされ、日本史のなかでは一番長く続いた時代であるが、残念ながら文字による記録などなく(当時は外国には文字が存在したが、日本にはまだなかった、ということになっている)、当時を知る手がかりは遺跡や遺物くらいしかない。 狩猟や採集という生活手段は旧石器時代と同じだが、その中でも「分業」化が始まり、食料獲得のための生業と家事労働が分立する。また食料の余剰は呪術的・祭祀的行為のために使われる事があった。 人々は移動生活から定住生活へと移り、住居や集落、墓地が登場した。 この「縄文時代」は 草創期(およそ1万3000年前から1万年前)、 早期(1万年前から6500年前)、 前期(6500年前から5000年前)、 中期(5000年前から4000年前)、 後期(4000年前から3000年前)、 晩期(3000年前から2300年前) に分けられ、それぞれの時期の土器や土偶の特徴などを根拠として区分されている。 草創期には初めて土器や貝塚(ゴミ捨て場)が作られ、早期では土偶や竪穴式住居が作られ始める。 また、それとほぼ同時期に集落も誕生した。前期に入ると縄文時代の大きな特徴である「抜歯」という風習も始まり、死者を葬る墓地や祭祀場が作られた。 中期には、立体的な文様のある大型の土器が盛んに作られるようになる。有名なものには新潟県長岡市から信濃川流域にかけて出土した「火焔土器」があり、世界でも珍しい芸術的な造形の土器である。 また、一部の地域では植物の「栽培」も始まっていたとする説もある。 後期に入ると、「死者は畏敬すべきもの」「神聖なもの」という概念が芽生え、死者は環状列石(ストーン・サークル)に葬られるようになる。また、大量の墓石も作られている。 と同時に、優雅な造形をした香炉なども作られ始める。 晩期では東日本と西日本で土器の特徴が異なっている。 東日本では複雑な文様の土器(青森県出土の遮光器土偶や亀ヶ岡式土器が有名)が作られていたのに対し、西日本では簡素な凸帯文の土器が広がっている。 最近の説ではこの時期にヒエ・アワ・ムギなどの耕作と同時に稲作も始まったとされている。
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