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埴輪の謎 古墳時代を語る上で忘れてはいけないのが、埴輪(はにわ)である。 古墳の副葬品としてあまりにも有名であるが、そもそもなぜ埴輪がつくられたのかについては、未だに謎に包まれている。 埴輪が最初につくられたのは、3世紀後半(弥生時代後期)の吉備とみられている。 この地方で埋葬の儀式の際に、埴輪に非常に似た形の器を用いていた。 今日では「特殊器台」(とくしゅきだい)と「特殊壺」という名称で呼ばれており、この2つが必ずセットで使われた。 特殊器台は高さ100cm直径30〜40cmの円筒形をした台で、複雑な文様があり、透かし穴が開けられている。 特殊壺は外側を赤く塗られており、特殊器台の上に乗せて使用されていた。 この2つが埴輪の起源といわれる。 埴輪という名称が初めて文献に出てくるのは、日本書紀であり、「ヒバスヒメ(日葉酢姫命)の陵墓に埴輪を立てた」という記述がある。 埴輪というのは古墳の周囲に並べられた素焼土製品の総称であり、宗教的・呪術的な色合いの強い物であるが、一口に埴輪といっても様々な種類と形があり、それによって役割も異なっていたらしい。 埴輪には、前述の特殊壺と形がほとんど変わらない「円筒埴輪」と家や器材、人物や動物などをかたどった「形象埴輪」がある。 円筒埴輪は儀式を行う場所や聖域を区別するために古墳の周囲や頂上などに多く並べられた。 家形埴輪は、埋葬施設の周辺に置かれており、被葬者を守るために置かれたものとみられる。 動物形埴輪には、鳥の形(主に鶏と水鳥の2種類)をしたものがしばしば見られる。 鶏は夜明けを告げる鳥であり、水鳥は魂を運ぶ鳥とされており、これは王位継承を意味するものではないかといわれている。 このほかにも鹿形埴輪(鹿は当時、神聖な動物とされていた)、犬形埴輪(狩猟を表すものか?)、そして人物埴輪(死後の世界のお供か?)が出土している。 素焼きの埴輪だけでなく、木製の埴輪もあった事がわかっている。
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