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「憧れのまほうつかい」(さくらももこ)、書評さくらももこさんは、「ちびまる子ちゃん」、「コジコジ」などの作品で知られる著名な漫画家である。 最近では、「もものかんづめ」、「さるのこしかけ」などに代表されるエッセイストとしての活動もよく知られている。 本書は、さくらさんが高校生の頃から憧れていたエロールルカイン氏についてつづったエッセイ集である。 いつもは日ごろの出来事に対するエッセイなのだが、本書はちょっと趣向が違っていて、エロールルカインの故郷を訪ね歩く旅行記でもある。 「憧れのまほうつかい」とは、本書の中で、エロールルカイン氏のことを指しているのだ。 エロールルカイン氏は、「おどる12人のおひめさま-グリム童話」などで知られるイラストレーターであり、とても緻密で美しい絵を描く画家である。残念ながら1990年に47歳の若さで亡くなられたようだ。 本書は、いつものように、いわゆる脱力系の面白おかしいエッセイだ。 けれど、その文章の中に、エロールルカインに対するさくらももこさんの憧れが、ひしひしと感じられて、さくらももこさんが、エロールルカインのことを、どれほど好きなのかということがよく分かる。 また、ところどころにあるさくらももこさん直筆のイラストは、とてもかわいくて飽きない。 僕も絵本は大好きなので、紹介されていたもの以外のエロールルカインの作品もぜひチェックしてみたい。 けっして、メジャーではないいわゆる職人画家。僕のもっともあこがれるタイプの人間の一人である。
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