「いくつもの週末」(江国香織)、書評
まるで、絵を描くように文章を書く人がいる。
江国香織氏も、恐らくは、そんな作家の一人なのではないだろうか。
まるで、絵を描くような彼女の文章は、本書にも色濃く出ている気がする。
本書は、彼女が自身の結婚とそこでの生活について語ったエッセイ集である。
例えば、エッセイを書く時、その手法にはいくつかの種類がある。
だが、多くの場合、その文章には、”結論”がある。
そして、エッセイの中の文章やエピソードは、多くの場合、その結論に向けての布石となる。
しかし、本書を読むと、そのような意図が、氏には、ほとんどないように思えるのだ。
むしろ、本書ではどんな結論を求めることなく、氏自身の心の動きをできるだけ色鮮やかに描くことだけを求めている気がする。
多分、本書を読むときには、その色鮮やかな心の動きを目の前に見ることができれば十分なのだろう。
彼女は、多くの、もの書きの中でも、むしろ、画家に近い”もの描き”なのではないだろうか。
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いくつもの週末
(文庫)
いくつもの週末
(単行本)
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内容(「BOOK」データベースより) 「いつも週末だったら、私たちはまちがいなく木端微塵だ。南の島で木端微塵。ちょっと憧れないこともないけれど」いくつもの週末を一緒にすごし、サラリーマンの彼と結婚した著者。今、夫と過ごす週末は、南の島のバカンスのように甘美で、危険だ。嵐のようなけんか、なぜか襲う途方もない淋しさ…。日々の想い、生活の風景、男と女のリアリズム。恋愛小説の名手がみずからの「結婚生活」をつづった、甘く、ビターなエッセイ集。
内容(「BOOK」データベースより) 私と夫の生活は、表面はともかく日々愛憎うずまいている。期待の新鋭作家が自らの結婚生活を綴った甘くてシビアな16編のエッセイ。
内容(「MARC」データベースより) 週末は、いつも夫と一緒にいる。そして、ほとんど毎週末けんかをする。私と夫の生活は、表面はともかく日々愛憎うずまいている。新鋭作家が自らの結婚生活を綴った、甘くてシビアな16のエッセイ。
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