「女たちのジハード」(篠田節子)、書評
ジハード(jihad, jehad)とは、イスラム教徒が信仰を迫害されたり、布教を妨害された場合に、武力に訴える行為のこと。
本書のタイトルは、しかし、恐らく聖戦という意味で用いられている。
作者である篠田節子さんは、最近、僕がはまっている作家であるが、氏は本書で第117回直木賞を受賞した。
「贋作師」「カノン」「聖域」「神鳥−イビス」などこれまでに読んだ印象だと、篠田さんの作品は、ある一定のパターンがあり、続けざまに読んでみると、自分としては少し食傷気味だったのだが、本書は、よい意味でそのパターンではなく、なかなか、おもしろかった。
オムニバス(Omnibus)形式で書かれている本書は、同じ保険会社に勤めながら、それぞれ性格の異なる5人の主人公の物語であり、そこから各人がどのようにそれぞれの道を歩んでいくかという過程をそれぞれの女性の視点から描いている。
聖戦(ジハード)といっているけれど、主人公が聖人で絶対正しいかというと全くそういうわけではない。
むしろ、我が強く、一癖もふた癖もある主人公もいる。
しかし、主人公自体は、その中で自分が正しいと思うものを選ぼうとする姿勢に満ち溢れており、自分の中で戦いに対する覚悟を決めていっているように見える。
その各人にとっての人生の戦いのことを、本書ではジハードと呼んでいるのだ。
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女たちのジハード
(文庫)
女たちのジハード
(単行本)
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出版社/著者からの内容紹介
保険会社に勤める異なるタイプの女性たち。結婚、仕事、生き方に迷い、挫折を経験しながらも、たくましく幸せを求めてゆく。現代OL道を生き生きと描く、第117回直木賞受賞作。(解説・田辺聖子)
内容(「BOOK」データベースより)
中堅保険会社に勤める5人のOL。条件のよい結婚に策略を巡らす美人のリサ。家事能力ゼロで結婚に失敗する紀子。有能なOLでありながら会社を辞めざるをえなくなったみどり。自分の城を持つことに邁進するいきおくれの康子。そして得意の英語で自立をめざす紗織。男性優位社会の中で、踏まれても虐げられても逞しく人生を切り開いていこうとする女たち。それぞれの選択と闘いを描く痛快長編。直木賞受賞作品。
内容(「MARC」データベースより)
保険会社に勤める5人のOL。失意と絶望を重ねながら、それぞれに人生を切り開いていく。めげず挫けず我が道をゆく聖戦(ジハード)という企み。勇気がわく物語。
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