「大家さんと僕」(矢部太郎)、書評
大家さんと僕はお笑いコンビであるカラテカの矢部太郎さんが書いた漫画。
執筆時点で87歳になる大家さんと矢部さんとの日々を描いた漫画で通常の家主とは違う素朴で暖かな交流が描かれたほっこりする漫画。
だいぶ話題になり、Amazonの情報によると手塚治虫文化賞短編賞を受賞されたようだ。
基本的に4個まで128ページしかないので1時間もあれば読める。
読後感はよく手に取る機会があれば読んでみるとよいと思う。
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大家さんと僕
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メディア掲載レビューほか
カラテカ矢部が描いた“大家さん"が、大人の女性に好かれた理由
顔を見たらわかるかもしれないが、「お笑いコンビ・カラテカの矢部太郎」と紹介されても、おそらくはあまりピンと来ないだろう。そんな微妙な立ち位置の芸人である「僕」と、ひとつ屋根の下で同居する87歳の老婦人「大家さん」との交流を描いたコミックエッセイが大ヒット中だ。
何かと「僕」に声をかけ、お茶や食事に誘い、世話を焼く「大家さん」。一方の「僕」も、「大家さん」の思い出話に耳を傾け、困った時には手を差し伸べる。
「本に描かれるふたりの関係を見ていると『ほっこり』するんですよね。それでいて、いつかは終わりが来るかもしれない『もの哀しさ』もどこかに感じられる。そんなふたつの味わいが絶妙にミックスされている点を評価していただいているように感じています」(担当編集者)
主な読者層は30代以上の女性。当然(?)、芸人としての著者のファンが中心ではない。
「みなさん、大家さんに女性としての憧れを抱くようです。こういう風に歳をとりたい、暮らしていきたい、と。離婚をご経験されていたり、家族やお友達を亡くされたり、辛い思いもされているのにユーモアがあって、上品で。旬な食べ物を味わい、草木の変化を楽しんで、季節を大切にしながら暮らしているのも素敵ですよね」(担当編集者)
超高齢社会・日本。世代を超えた関係を見つめ直すきっかけにしてみては。
評者:前田 久
(週刊文春 2018年2月8日号掲載)
内容(「BOOK」データベースより)
誰かと暮らす幸せ。泣き笑い奇跡の実話漫画。手塚治虫文化賞短編賞受賞。
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