「バトルロワイヤル」(高見広春)、書評
バトルロワイヤル(BATTLE ROYALE)とは、プロレスなどの格闘技で、1対1ではなく、多数混合で行う格闘技戦のこと。
最初のうちは、強い人をまとめて倒してしまうこともできるから、必ずしも強い人が勝ち残るわけではないわけだ。
本書の舞台は、大東亜共和国という軍国主義におかれた日本の設定。
他の多くの部分は、現在の日本とほぼ同じなのだけれど、社会制度だけが違っていて、ロックなどが禁止されている設定になっている。
この国では、徴兵制はないのだが、年に一度、訓練のためにあるプログラムが催される。
それは、中学3年生の50クラスが選ばれ、戦闘シミュレーションを行うのだ。
選ばれたクラスのクラスメートは、ある場所に運ばれ、殺し合いをさせられる。
そして、最後に残った者だけが、生存者になるのだ。
映画にもなった話題作だったけれど、とてもえぐそうなので、ちょっと敬遠していたのだが、たまたま見かけたので手にとってみる。
確かにえぐいのだけれど、夜中の二時半までかけて一気に読んでしまう。
全1322枚。666ページ。
すごい。と思った。
実際に描写もえぐいし、テーマとして問題を多く抱えているから、賛否は分かれると思うが、とりあえず、この枚数を読ませきる力はすごいと思う。
もし、テーマとして受け入れることができるなら、興味深い本だと思う。
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バトルロワイアル
(ソフトカバー)
バトルロワイアル
上 (文庫)
バトルロワイアル
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瀬戸内海に浮かぶ小島の分校。42名の中学3年生たちは、新しい担任と名乗る見知らぬ男から「プログラム」の開始を告げられる。クラスメート同士が与えられた武器で殺し合い、ただ1人の勝者を決めるという残酷な椅子取りゲームだ。
続発する少年犯罪は現代においてもはや遠い世界のできごとではありえず、不快感なしにこの作品を読み進めることは不可能に近い。その意味で、本作品がさる文学賞の選考会で委員から徹底的に否定されたことはうなずける。だが、反社会性というマイナスを補って余りある魅力が、たしかにこの作品にはある。たとえば少年たちの多くは大人や社会に対して名状しがたい嫌悪感を抱く存在として描かれている。その一方で、ある者は絶望的状況を打開すべく全力を尽くし、ある者は深く秘めた恋に身を焦がして、読み手の心を締めつけずにおけない。不条理に直面してもなお人を、未来を信じたいという彼らの思いは、そのまま著者からのメッセージでもあろう。
表現の稚拙さは時折目につくが、スピード感ある筆致にはただただ驚かされる。ストーリー運びの巧みさは非凡だ。加えて、最も高く評価したいのは、中学生たちの心理描写に横溢(おういつ)するユーモアだろう。その脳天気さと過剰ぶりは殺し合いという極限状態に置かれた中学生の心理としてはやや不自然だが、身もふたもない物語を第一級のエンターテイメントたらしめているのは、まさにこのたぐい稀なユーモアセンスなのである。前途有望な作家の手腕に心から敬意を表したい。(西村
匠)
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