半落ち 横山秀夫
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「半落ち」(横山秀夫)

 「半落ち」とは容疑者が事実関係を自白している。(つまり、ある部分では落ちている。)のだけれど、肝心な部分を白状しないでいること(つまり、ある部分では落ちていないこと)を表す。

 ぜんぜん、事前知識を持たずに読んだので、読んでみるまで「半落ち」が何をあらわすのかも知らなかった。

 警察に捕まり、検事に渡され、記者からインタビューを受け、裁判官に詰問され、と次々詰問されながら、妻を殺した後の2日間について、決して語ろうとしないある警察官を中心に物語は進む。

 主人公が次々に変わりながら、少しずつ警察官の真意に迫っていく様を描く文章力には引き込まれるものがあり、とてもよい。

 結末が少し弱いのかもしれないけれど、総じておもしろい部類の小説だと思う。

半落ち 横山秀夫

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内容(「MARC」データベースより)
請われて妻を殺した警察官は、死を覚悟していた。全面的に容疑を認めているが、犯行後2日間の空白については口を割らない「半落ち」状態。男が命より大切に守ろうとするものとは何なのか。感涙の犯罪ミステリー。

著者について
■横山秀夫(よこやまひでお)
昭和32年、東京生まれ。国際商科大学卒。上毛新聞社に勤務後、フリーライターとなる。平成3年『ルパンの消息』が第9回サントリーミステリー大賞佳作に。平成10年『陰の季節』で第5回松本清張賞受賞。同12年『動機』で第53回日本推理作家協会賞短篇部門賞を受賞。

  
 
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