「コモンズ」(ローレンス レッシグ)、書評
コモンズとは、共有地のこと。
本書の中で、コモンズは、誰もが利用することのできる共通のリソースのことを指す。
私たちの周りには様々な資産があるが、そういうものをコントロールするか、或いは、コモンズにするか、その兼ね合いについて考察している。
、そして、著作権などに対する行き過ぎるコントロールの弊害について鋭く考察している。
アイデアとは既存の要素の新しい組み合わせ以外の何者でもない
とは、ジェームスWヤング「アイデアの作り方」にある言葉だが、僕も常々そう思っていて、著作権を保護しすぎることの弊害について考えていた。
優れたオリジナリティのある作品は、確かに守られるべきだし、著作者には、正当なロイヤリティが入るべきだと思う。
しかし、この世の中で完全にオリジナルなものなど存在しないし、まねることができるからこそ、オリジナルなものができると思うのだ。
とても、おもしろい。厚い本だが一気に読み終えてしまう。おすすめの一冊。
特にインターネットでの知的所有権に興味のある人には、お勧め。
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コモンズ
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アメリカでは著作権にまつわる問題が噴出している。もはや著作権の本来の意義を大きく超え、創作活動に悪影響を及ぼすまでになったと主張する向きも多い。この潮流はインターネットの世界においても同様であり、ソースコードを公開する「オープンソース」の立場と企業が中心となるソースコードを明かさない立場が互いの優劣を競い合っている。どちらが真に優れたコードを作り出し、発展に寄与するものなのか?
さらに拡張してフリーなリソースとはどのように発展に寄与するものなのか? 本書はこの部分について解説を試みている。
本書のキーワード「コモンズ」は共有性、すなわち多数の人々によって平等に保有または享受されることを意味する言葉だ。話はインターネットの創生から始まるが、電話網に代表されるワイヤードにおける「コモンズ」の寄与、そして無線世界でのアプローチなどを踏まえ、「コントロール」するべきものとするべきでないものを明確に定義し、インターネットでの所有権のあり方について議論を行っている。昨今のアメリカでは音楽の配信・映画の配信に伴う著作権の問題や一部企業の製品による独占的な市場のコントロールの問題に対して重要な判決が下されているが、このような事態に対して著作権は企業が利益を確保するための手段に成り下がり、本来の目的から大いにゆがめられていると世間からも非難の声が上がっている。ましてやアメリカではミッキーマウスの著作権に代表されるように行き過ぎた面が見られる。
本書はそのような流れに対し、最も進歩を促すリソースの所有形態を提示している。当然、本書の意見については企業としては賛同できない部分もあるかもしれない。しかし自社の製品を生み出す源泉がいったい何であるのかを考えれば、そして市場の成長を促すものが何であるのかを考えれば、行き過ぎた所有権はトータルでマイナスに働くということに気が付くだろう。
本書はインターネットでの所有権のあり方について、その意味と理由を含めて学ぶことのできる書籍として大いに役立つだろう。インターネットを信奉するすべての人におすすめしたい。(斎藤牧人)
出版社/著者からの内容紹介
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