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「結婚しないかもしれない症候群」(谷村志穂)、書評恋愛は上手だけど、主婦になることは嫌う女性。不倫をし、結婚したくてもできない女性。シングルマザーとして、一人で子供を生もうとする女性。 ちょうど、バブルの頃にベストセラーになった本だと思うのだが、かなり、その時代背景が出ている本だと思う。 自分に自信があり、自由に気ままに生きることが是とされた時代。 僕はバブル時代を直接には知らないのだけれど、そんな雰囲気が本の中からひしひしと感じられる。 作者自身、子供が嫌いで、主婦にはなりたくなく、自由に気ままに生きていたいと願っているように思える。 そのためなのか、谷村さんは、そういう人たちのことをすごく応援する立場に立っていて、本書を通じて、結婚をし家庭を守りぬく女性よりも、経済的に自立し結婚という形にとらわれない女性を擁護する展開になっている。 本書の中で自分の思うままに強く生きようと女性たち。 しかし、その姿勢が、時に強い孤独を生む。 本書はその自由と孤独との狭間で生きる女性たちの物語なのだ。
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