きみの友だち 重松清
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 「きみの友だち」(重松清)、書評

 「きみの友だち」は、小学生の頃、交通事故に会い、足に負傷を負った”きみ”とその友だちをめぐる長編小説。

 主人公が、基本的に一話ごとにいれかわるオムニバス小説である。

 わはは。と笑う面白さではなく、ふーむ。とうなったり、なるほど。と頷いたり、

 そういう、ところどころで色々考えて面白い小説である。

 みんな、がみんなでいるうちは、友達じゃない、絶対に。

 という台詞が、この小説の中で、友だちに関するもっとも印象的な言葉。だとぼくは感じた。

 お勧めの一冊である。

 印象的な会話のやり取りを以下に引用。

 「わたしは『みんな』って嫌いだから。『みんな』が『みんな』でいるうちは、友達じゃない、絶対に」

 ぽつりと言った。

 ・・・(中略)

 「西村さんは、友だち、たくさんほしい人でしょ?」

 きみが答える前に、恵美ちゃんは、「わたしは違う」と言った。

 「いなくなっても一生忘れない友だちが、一人、いればいい」

 由香ちゃんのこと・・・だろうか。

 「一生忘れたくないから、たくさん思い出、ほしい」

 恵美ちゃんは空からきみに目を戻して、つづけた。

 「だから・・・『みんな』に付き合ってる暇なんてない」

  

きみの友だち

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出版社/著者からの内容紹介
嬉しいこと、つらいことがいっぱいあったから、「友だち」の意味がわかった――痛みや喪失を乗りこえ、少女たち、少年たちはやがて…。珠玉の長編小説!

内容(「MARC」データベースより)
友だち? 他人だよ、そんなの。でも特別な他人、大切な他人。嬉しいこと、つらいことがいっぱいあったから「友だち」の意味がわかった-。痛みや喪失を乗りこえ、少女たち、少年たちはやがて…。『小説新潮』掲載に加筆。

  
 
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