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「きりきりかんかん」(阿川佐和子)、書評阿川佐和子さんは、阿川弘之さんを父に持つ著名なエッセイストで、最近では壇ふみさんとのコラボレーションでエッセイを書いたり、CMに出演したりしてらっしゃる。 僕自身は阿川さんの作品を今回初めて読んだのであるが、人気エッセイストだけあってなかなかおもしろい。 話自体は、日常的な出来事を取り上げたものであり、取材に行ったときの旅先での話やか、テレビを辞めたときの話などエッセイストならではの出来事もあるけれど、基本的には自身の見た夢の話とか、飼っているミジンコの話だとか、結構他愛ない話が多い。 多くの人が自分にもエッセイくらいなら書けそうだと思うのもその辺に理由があるのかもしれないが。 しかし、実際には、エッセイのおもしろさにとって重要なのはその切り口の面白さなのだ。と思う。 優れたエッセイストは、そういう日常的な出来事を取り上げながら、にもかかわらず、きちんと落ちがついた話を書く。 そして、その切り口こそ、プロとアマとを分ける決定的な差なのではないだろうか。と思う。
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