｢キッチン｣(吉本ばなな)、書評
2003年12月現在、吉本ばなな氏のキッチンは、単行本、文庫合わせて５冊の本が出ている。
(一冊は英語。文庫が３冊で出版社だけが違うだけのようだ。)
僕が読んだのは、福武書店(今のベネッセコーポレーション)から出ている単行本のキッチンだ。
本書は、吉本ばなな氏の最初の単行本であり、三つの短編が収録されている。
キッチン、満月、ムーンライトシャドウ。
吉本ばなな氏の初期の作品であるこれら三作品のテーマを僕は「別れ」であると読んだ。
氏自身はあとがきの中で自身の書きたいものについて次のように述べられている。
克服と成長は個人の魂の記録であり、希望や可能性の全てだと思っています。
つまり、氏の描いているものは収録されている三作を通して、「別れ」と「克服」の物語なのだ。
ムーンライトシャドウは吉本ばなな氏の日本大学芸術学部での卒業制作であり、氏は本作で１９８６年日本大学芸術学部賞を受賞された。
また、キッチンは第6回「海燕」新人文学賞受賞作である。
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キッチン
(単行本)
キッチン
(新潮文庫)
キッチン
(角川文庫)
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内容（「BOOK」データベースより）
Be your friend.私の言葉はどこまであなたの孤独にとどくのだろう。第6回「海燕」新人文学賞受賞作。
内容（「BOOK」データベースより）
私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う―祖母の死、突然の奇妙な同居、不自然であり、自然な日常を、まっすぐな感覚で受けとめ人が死ぬことそして生きることを、世界が不思議な調和にみちていることを、淋しさと優しさの交錯の中であなたに語りかけ、国境も時もこえて読みつがれるロング・ベストセラー、待望の定本決定版。"吉本ばなな"のすべてはここから始まった。
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