｢キトキトの魚｣(室井滋)、書評
女優室井滋さんのエッセイ。
軽い筆致で、なかなか、おもしろい。電車の行き帰りですらすら読めた。
エッセイの面白さを決める要素は、大きく分けて二つあると思う。
一つは、もちろん、人に読ませうる文章をかけるといういわゆる文章力。
そして、もう一つは、人に「あっ、それおもしろいね」と思わせるいわゆる視点の面白さである。
室井さんのエッセイがおもしろいのも、室井さん自身の文章力もさることながら、その視点のおもしろさにあるのではないだろうか。
タイトルとして選ばれた「キトキトの魚」という題が、既にそのきらりと光る視点をよく表している気がする。
あ、うまいな。と思った。
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キトキトの魚
(文庫)
キトキトの魚
(単行本)
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内容（「BOOK」データベースより）
元気にけなげにピチピチと、そんな“キトキトの魚”みたいになりたい―。自意識過剰な一人っ子時代の赤面メモリー、痛恨のフライデー事件の顛末など「事件を呼ぶ女」ムロイが体験したアヤシイ出来事の数々。
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