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「木を植えた男」(ジャンジオノ)、書評ジャンジオノ氏は、1953年にモナコ大賞を受賞し、ノーベル文学賞候補。ともいわれていた作家である。 僕の読んだ本では、「木を植えた人」と訳されていたが、この物語は、通常、木を植えた男。としてよく知られている非常に短い物語だ。 主人公である私が出会ったエルゼアール・ブフィエという男について語るという形で、物語は進んでいく。 木を植えた男のタイトル通り、この男はある荒野に、ただひたすら木を植えていく。 その黙々とした作業のおかげで、その荒野がたくさんの人に潤いをもたらす森に変わっていく様子が描かれる。 月並みな言い方をすれば、作者はこの物語を通して、不平を言わず自分の意思に従い、もくもくと作業を続けることの大切さを訴えている。 また、そういう地道な作業を黙々と続けることが、幸せの一つの形であることを教えてくれる。 作者であるジャンジオノ氏は、これをアメリカの編集者に頼まれて書いたそうなのだが、執筆の条件にあわなくて原稿を送り返されたらしい。そこで、ジオノは、この物語に対する版権を放棄したのだそうだ。 そのため、少なくとも、原本については、誰でも出版できるということになる。フランス語ができれば、翻訳してみるのもいいかもしれない。 (残念ながら、僕はフランス語ができない)
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