「古風堂々数学者」(藤原正彦)、書評
古風堂々数学者は、藤原さんが朝日新聞や文藝春秋、日本経済新聞、数学セミナーなどに寄稿した様々なテーマのエッセイを一冊にまとめたエッセイ集である。
目次を見ると学力低下や規制緩和、数学を解くときの楽しみなど、大学教授らしく教育者としての話題が結構多いのだが、ここでは、その中にある「書き始めた事情」というタイトルのエッセイを取り上げたい。
氏の父親が作家の新田次郎さんであることは、よく知られているが、このエッセイによるとデビュー作である「若き数学者のアメリカ」はアメリカへの留学から帰ってきた後、父親の新田次郎さんにそれをまとめておくように勧められて書いた本らしい。
その原稿を読んだ新田次郎さんがおもしろいと思って、様々な編集者に掛け合った結果、出版にいたることになったようだ。
「若き数学者のアメリカ」はそれ自体相当におもしろい本だが、その意味では父である新田次郎さんがいなければできなかった本であるともいえる。
多分、もの書きを目指している人にとって、身近に文章を生業としている人が存在するというのは、批評家としても、出版社のつながりという意味でもちょっとうらやましい話だろう。
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古風堂々数学者
(単行本)
古風堂々数学者
(文庫)
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出版社/著者からの内容紹介
理より情の数学者による教育論
覚えることより忘れないことの方が大切なときもある。自由なアメリカ、伝統のイギリスで暮らして見えてきた日本の良さ。
私は実は外国語が大好きだった。……様々な言語に次々に取り組み精力的に勉強したから、いくつかの言語をスラスラと読むことができるまでになった。この無邪気をいま、やや呆然とした気持ちで眺めている。あの膨大な時間とエネルギーの半分をでも、古今東西の名作名著の精読に向けなかったのが悔まれる。若い時分にもっとこれらに触れ感動すべきだった、と無念に思うのである。──「もっと大切なもの」より
内容(「BOOK」データベースより)
覚えることより忘れないことの方が大切なときもある。自由なアメリカ、伝統のイギリスで暮らして見えてきた日本の良さ。理より情の数学者による教育論。
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