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「競争やめたら学力世界一―フィンランド教育の成功」(福田誠治)、書評フィンランドは、2005年度、国際学力調査PISAでトップだった。 フィンランドの教育の特徴は、いくつかあるのだけれど、例えば、以下のようなものが挙げられる。 1)勉強することを強制しない。 2)試験の成績で学校を分けない。 3)教育方法は、教師の裁量に大きく委ねられている。 4)教師は、授業を教えることだけに専念でき、その他の雑務には追われないようになっている。 いいとこばっかりで、とても結構なんだけれども、実際のところ、そうなっているという事実の報告であるので、その辺注意が必要。 フィンランドと日本では、かけられるコスト、生徒の自覚、社会背景などが違うので、 ただ、そうすべきだ。と結論付けるのは短絡的だと思う。 本書でも述べられているけれど、教育のキーワードは”下のレベルの底上げ”だと思う。 できる子は結局どんな教育をしてもできてしまうから、ほうっておいてもそんなに問題がない。 逆に手をかけても、それほどはあがらない。 それよりも、できない子を早い段階でいかに作らないかがポイントだということだ。 昔、日本が世界で学力のトップだった頃も、結局、そうだったのだと思う。 全員、九九ができるまで、きちんと拾い上げること。 読書の時間を作って、きちんとした読解力を持たせること。 勉強しないとだめだ。という意識を自覚して持たせられるのが、一番いいけれど、 とにかく、勉強の仕方を、きちんと教えるのが重要なのではなかろうか。
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