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「模倣犯」(宮部みゆき)、書評宮部みゆき氏は、現在、非常な売れっ子作家なのだが、今まで何故か読む機会に恵まれなかった。 レベル7やクロスファイアなど何度か、手に取る機会があったのだが、何故か最後まで読みきれていなかったのだ。 「模倣犯」は宮部みゆき氏の著書の中で最初に読了した本になる。 模倣犯は、上下巻合わせて、1400Pを超える宮部みゆき氏の長篇小説である。 連続殺人殺人犯を追ったミステリーで、ピースと呼ばれる主犯格の犯人を含めた二人の犯人側の視点。 連続殺人の被害者となった多くの女性とその家族の視点。 連続殺人を取材するマスコミ側の視点などが交互に錯綜しながら描かれていく。 上下巻の比較的厚い本だったが、特に苦もなく読むことが出来た。 被害者の女性の祖父に言わせた「お前はただの人でなしだ。」のくだりが、多分、1番の読みどころだと思う。 批判もいろいろ出ているようだが、1400Pを書き上げ、それを何十万人という人に読ませるということ自体が凄いことであるだろう。 なお、本書は中居正広氏主演で映画になったが、映画「模倣犯」と小説「模倣犯」では、その結末は異なっている。 映画については、(結末以外は)確かに本の内容を基本的に追っているのだけれど、各出来事の間にある行間を埋めきれていない部分があり、また、結末も異なるため、本を読まれることをお勧めする。(ちなみに、中居正弘氏が演じたピースは、本書の中で180cm程の長身の青年として描かれている。)
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