｢マンガの描き方｣(手塚治虫)、書評
2003年4月7日は手塚治虫氏の原作である｢鉄腕アトム｣の誕生日であった｡
これを書いている今、それから4日の時が過ぎている。
手塚治虫氏は、上記、｢鉄腕アトム｣を始め、｢ブラックジャック｣、｢火の鳥｣、｢ジャングル大帝｣、｢リボンの騎士｣など、幅広いジャンルの物語を多数公表している日本が誇る漫画界の巨人である｡
本書は、その手塚治虫氏が初心者向けに書いたマンガの描き方に関する入門書である｡
マンガを書くときには肩肘を張らず、落書きからスタートすればよい。とする序盤の文章に始まり、案の練り方や構図の取り方など、専門的な分野にまたがる記述もあって、その記述はむしろ、マンガだけでなく、小説や映画などに興味を持っている人にも十分に役に立つないようだといえるだろう｡
背景と構図は、三角形にすると安定すること｡
マンガ独特の表現に関する記述｡
案(アイディア)を考えるために用いられる｢帰納法｣と｢演繹法｣に関する記述｡
など、おもしろい作品を作るために手塚治虫氏が何を意識しているのかが、随所に垣間見られる。
話の作り方は、映画の作り方に通じるものがあって、評価されている人は、やはり、よく考えているのだとなかなか感心した一冊であった｡
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マンガの心―発想とテクニック
(単行本)
マンガの描き方―似顔絵から長編まで
(文庫)
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内容（「BOOK」データベースより） マンガの神様が語った手塚ワールドの創作現場。
内容（「MARC」データベースより） 似顔絵から長編まで、マンガの神様が語った手塚ワールドの創作現場。素朴にマンガを愛し、楽しむ心が伝わってくる。1977年に刊行された「マンガの描き方」の改題。
単行本では、タイトルが｢マンガの心｣となっていましたが、文庫では｢マンガの描き方｣に戻しているようです。
内容（「BOOK」データベースより） 『鉄腕アトム』『ジャングル大帝』『ブラック・ジャック』『火の鳥』…etc.30年以上に亙って、子供たちに夢を与えつづけ、亡くなった今も、不動の人気を保つ天才マンガ家・手塚治虫。マンガ文化に革命を起こし、世界中のクリエイターに影響を与えた"マンガの神様"が、自ら創作現場を語った。手塚ファンのみならずマンガ好き垂涎の一冊。
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