「みんないってしまう」(山本文緒)、書評
以前も書いたけれど、僕は短編が好きだ。
なくした恋。家族の死。友人からの疎外感。
本書は、基本的には何かを失ったときの切なさをつづった短編集である。
山本文緒さんは、吉川英治文学新人賞を受賞した「恋愛中毒」などの著書で知られるOL出身の小説家だ。
恋愛中毒の時にも思ったけれど、山本文緒さんの書かれる話には、なにか切ない話が多い。
何かを失ったときの喪失感や、人との距離感のずれなどを描きだされる。
そして、人が誰でも持っている病んでいる部分が、その静かで抑制された文体に滲み出ている気がするのだ。
読んでて、なにか、もやもやする。そして、何かを考える。
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みんないってしまう
(単行本)
みんないってしまう
(文庫)
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内容(「BOOK」データベースより)
大人になるにつれ、ひとつずつ何かを失くていく。たとえば恋、信頼、友情だったり…そして残るのは自分。喪失を越え、人はたったひとりの本当の自分に出会う。かなしくも、いとおしい自分探しの物語。
内容(「MARC」データベースより)
たとえば恋、信頼、友情だったり…。大人になるにつれ、ひとつずつ何かを失くしていく。そして残るのは自分。喪失を越え、人はたったひとりの本当の自分に出会う。かなしくも、いとおしい自分探しの物語。
内容(「BOOK」データベースより)
大人になるにつれ、時間はだんだん早くなる。物事は思った以上に早いスピードで流され、手のうちからこぼれおちていく。そんな時、大切な何かをひとつずつ失ってはいないだろうか?例えばそれは恋、信頼、友情だったり…。そうして残されるのは自分だけ。喪失を越え、人はたったひとりの本当の自分に出会う。希代のストーリーテラーが贈るかなしくも、いとおしい自分探しの物語。
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