「三島由紀夫レター教室」(三島由紀夫)、書評
今までに読んだ三島作品である「金閣寺」や「仮面の告白」などは、どうも肌に合わなかったのだが、本書は思いのほかおもしろかった一冊。
あ、三島由紀夫ってこういう本もあるのという意外な印象の本だった。
レター教室とあるように基本的に全てあるテーマに沿った手紙になっている。
けれど、実のところ、この本は通常の手紙の文例集とは異なり、5人の登場人物の織り成す小説にもなっているのだ。
いろいろとエピソードの絡まったきちんとした物語になっていて小説としてもかなり楽しめる。
手法としてすごくおもしろく参考になった一冊。
これまでに持っていた三島由紀夫観が大分変わった本だった。
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三島由紀夫レター教室
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5人の登場人物がやり取りする手紙のみで表現された異色の小説。『レター教室』という題名の示すとおり、それぞれの手紙は「借金の申し込み」「身の上相談の手紙」「病人へのお見舞い状」などタイトルがつけられ文例としても使えるようになっている。
5人の書き手による違いはもとより、社交的な手紙から歯に衣着せぬ悪口の手紙まで各人が書き分けるスタイルは実にさまざまである。中には「英文の手紙を書くコツ」などのように手紙の中で手紙の書き方を指南するという凝った仕掛けを施されたものもある。ストーリーは登場人物たちの繰り広げるドタバタ喜劇風の人間模様で、はじめはあっさりしていた人間関係が、恋愛、嫉妬、裏切りなどさまざまな感情によって複雑に絡み合っていく。作者は交錯する感情の中に人間心理の機微を描き出し、手紙という表現手段を用いることで人が常に他者との相対関係にあることを浮き彫りにしている。(林ゆき)
内容(「BOOK」データベースより)
職業も年齢も異なる5人の登場人物が繰りひろげるさまざまな出来事をすべて手紙形式で表現した異色小説。恋したりフラレたり、金を借りたり断わられたり、あざけり合ったり、憎み合ったりと、もつれた糸がこんがらかって…。山本容子のオシヤレな挿画を添えて、手紙を書くのが苦手なあなたに贈る枠な文例集。
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