「マネーロンダリング」(橘玲)、書評
「得する生活」や「お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方
― 知的人生設計入門」などのビジネス書で知られる橘玲さんのビジネス小説。
ビジネス書の著者としては知っていたのだけれど、小説を書いていたことは知らなかった。
専門でない人が書く小説は、ときにすごくおもしろいことがあるのだけれど、これもその一冊に入るだろう。
マネーロンダリングという言葉の意味は、いわゆる資金洗浄。のことだけれど、単純に資金洗浄をどうやってするかという話ではない。
その意味で、マネーロンダリングという言葉が本書の全てを象徴しているかというと違う気がする。
50億というお金をもって逃げた女を追いかける過程は、推理小説のようでもあり、
途中の暴力シーンは、やくざ小説のようでもあり、
ビジネスをベースにして様々な要素が詰め込まれている一冊である。
金融資産に対する知識の深さがその記述に真実味を与えている。おすすめの一冊。
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マネーロンダリング
(単行本)
マネーロンダリング
(文庫)
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アジアでも屈指のオフショア金融センターである香港と日本を舞台に繰り広げられる国際金融情報小説。この小説の特徴は、通常の金融サスペンスと比較してその状況設定、描写がリアルな点にある。著者の橘玲は、「ゴミ投資家」シリーズで知られる「海外投資を楽しむ会」創設メンバーの1人であり、自ら相当の金融現場を経験していると思われる。
小説の主人公である工藤秋生は、34歳で香港在住のFA(ファイナンシャル・アドバイザー)。都市銀行、ニューヨークの投資銀行、ヘッジファンド運用会社を経て、現在は香港で日本人を相手にオフショア関連のアドバイザーをやっている。その工藤のもとに日本から若林麗子と名乗るゴージャスな美人が現れる。日本での複雑な事情も知らぬまま、工藤はその美人に香港でオフショア会社、オフショア銀行、私書箱サービスを利用したスキームを提案。
しかし、その数か月後、日本から黒木という男が工藤のもとにやってきたとき、工藤は自分がとんでもない深みにはまっていくことを知る。麗子は黒木が関係する50億円を日本から送金し、そのまま行方をくらましているという。黒木はオフショア事情に精通している工藤に助けを求めたのだった。
その後、工藤は日本に飛び、話の全容を知ることになる。50億円のありかを求めて再び香港に戻り、さらに日本に戻る工藤。話はいよいよ複雑に絡んだ結末へと向かう。美人麗子の運命は?
麗子が絡んだ50億円の行方はいかに?
本書の内容はあくまでフィクションであるが、端々に出てくる情景や設定、金融実務の話はリアルな現実である。香港での金融実務の現実を知ることができる、貴重な内容といえるだろう。(木村昭二)
このレビューは、同タイトルの単行本のレビューから転載されています。
出版社/著者からの内容紹介
「五億円を日本から送金し、損金として処理してほしい」美しい女の要求は、脱税だった。四ヶ月後、女は消えた。五億ではなく五十億の金とともに。女と金はどこへ? 驚天動地の金融情報小説!
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