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「モルヒネ」(安達千夏)、書評幼い頃、父の家庭内暴力によって姉を亡くし、母を自殺によって亡くした主人公。 彼女は、姉の後を追って、いつでも、死ねるようにと医者への道を選びとる。 そんな彼女のもとに現れる音楽家だったかつての恋人。 彼は、脳腫瘍に犯されて、もってあと数ヶ月の命だった。 指が動かなくなった男は生きている理由を見つけられず、死にたがるようになる。 序盤から終盤まで、死を近くのものにする姿勢が見られる。 タイトルに用いられているモルヒネは小説の中で死の象徴として用いられているのだ。 主人公のような立場に立たされたとき、小説のように心理が動くのかどうかは若干疑問な印象。 少し、無理がある気がするのだけれど・・・。 モルヒネは、麻薬としてだけでなく、末期がん患者などの痛み止めに使用されるため、病院などにおいてあるようだ。
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