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「ニューヨーク底辺物語」(境セイキ)、書評筆者、境さん本人から先日メールを頂いた。初の著書である本書を是非読んでほしいとのメールだった。 その後、連絡や自己紹介のため、僕は境さんと何通かメールのやり取りをする。 メールでの言葉遣いが、とても丁寧な方だった。 是非読ませていただきます。そうお答えしてから1ヵ月。やっと手にすることが出来た一冊である。 筆者である境さんは、ニューヨークで6年間ホームレスをなさっていた。 本書では、自分の体験から来るNYのホームレスの生活を描いている。 トイレの話題。周りにいたホームレスの話題などといった、現在のNYのホームレスの生の生活。 NYには、貧しい人たちに食事を無料で配っている通称、スープキッチンと呼ばれる施設があり、日々の食事に関しては安価に手に入れられることができること。 ホームレスの行なう日々の※ハッスルによって、実際にどれくらいのお金が稼いでいるものなのか。 少し汚いが、しかし、非常に重要な問題であるホームレスのトイレ事情。 など、経験者でなければ書けない記述がたくさんあって、興味深い。 自分がホームレスをやっていたことは、自分にとってよかったと思う。しかし、ホームレスという回り道を他の人は通る必要はない。 裏表紙や本文の中で、境さんはメッセージを投げかけている。
なお、著者欄のプロフィールを拝見するに、それまではアパレル関連の仕事をされており、社長をなされていたようだ。 今後の作品では、是非、ホームレスに到るまで境さんがしていたこと。そして、境さんのその後について書いてもらいたい。多分、それもまた、境さんにしか書けない物語であるに違いないから。 また、最近調べてみたところ、境さんは、境セイキ公式ホームページを立ち上げられたようだ。興味がある方は読まれるとよいかもしれない。 ※ハッスル ホームレスがお金を得るためにする行為のこと。本書には、境さんがされていた空き缶集めなどの合法的なものから、自動販売機からの収拾。ドラッグストアからの万引きなどさまざまなハッスルの方法も記述されている。
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