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「ランチタイムの経済学」(スティーヴン ランズバーグ)、書評「ランチタイムの経済学」は、筆者であるスティーヴンランズバーグ氏が他の経済学者と話し合った身近な経済学の話題を取り扱っている。とても平易な文章で書かれた分かりやすい経済学の本である。 経済に関して、平易な記述をした書籍として他に「経済ってそういうことだったのか会議」などがあるが、本書は、「経済ってそういうことだったのか会議」よりも、より理論的に経済学を理解できると思う。 本書で最も強く主張される考え方にインセンティブの力という考え方がある。 ある方向に力を加えようとすると、その結果として、意図とは別の方向に力が働いてしまうということだ。 筆者は、基本的な経済学の思考法を少しずつ導入しながら、 映画館のポップコーンが、通常に比べて高い理由。 アイオワの人々は、農作物を作ることで結果的で自動車栽培しているのと同じ事をしていること。 政府は、結局、資源をどのように振り分けるかを決めることしか出来ないこと。 環境保護運動が、必ずしも実際には、環境保護に役に立っているとは限らないこと。 などを、とてもクリアな論理展開で考えていく。 なお、本書の作者であるスティーヴン ランズバーグ氏はもともと数学が専門だったのだが、奥さんの専門が経済であった影響を受けてエコノミストに転向したらしい。また、筆者は、研究者よりは教師よりの方で、大学の教科書も作成されているようだ。 ところで経済学は、どうして、文系の学部に数えられているのだろう。本書も含め、その他、経済学の本を読む限り、経済学は明らかに理系の学問だと思うのだが...。
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