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「ルネサンスの女たち」(塩野七生)、書評塩野七生氏は、「ローマ人の物語」という長篇小説を現在進行させているイタリア歴史小説の第一人者である。(2002年12月現在第11巻まで出版されている。) 本書は、塩野氏の作家としてのデビュー作であり、ルネサンスという時代に生きた4人の女性についての小説である。 氏が、本書を書いたのは、1968年。既に30年以上前の作品である。 しかし、僕が塩野七生という人を知ったのはつい最近のことなのだ。 本書の内容は、本文中に出てくる塩野氏自身による次の言葉に象徴されていると思う。 男を書くときは、女を書かなくても用はすまないこともないが、女を書く時は、男を書かないですませることはできない。 そう、この本は、タイトルである4人の女と、それを取り巻く男達の物語なのだ。 氏は、イザベッラ デステ、ルクレツィア ボルジア、カテリーナ スフォルツァ、カテリーナ コルネールという4人の女の数奇な人生を追いながら、その人生を通して躍動感に溢れるルネサンスの時代とその歴史を紐解いていく。 僕自身、全く詳しくなかったルネサンスという時代について、その背景をほんの少しではあるが知ることが出来た一冊である。 なお、話によると、オリジナルの単行本は既に絶版になっているそうだ。
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