「隣人」(重松清)、書評
隣人は直木賞作家である重松清氏が、初めて取り組んだノンフィクションである。
自身を読み物作家と定義する重松氏が、和歌山砒素カレー事件や日産のリストラ策、出家ブームなど世相を反映した様々なテーマについて寄り道をしながら辿っていく。
舞姫通信を読んで、かなり面白かったので読んでみた作品である。
ノンフィクションには、書き方のスタンスとして二通りの書き方があると思う。
一つは、自分の意見や感情をなるべく押さえ、事実関係を冷静に追おうとする書き方。
もう一つは、逆にノンフィクションの中に自分の意見を取り入れ、その文章を自分の色に染める書き方。
読み物作家と称する重松氏のノンフィクションを読んでいて、本作を僕は後者であると感じた。
舞姫通信、隣人と僕が読んできて、重松氏の文章のリズムに共通なものを感じる。
静かで、けだるい。しかし、透明感がある文章を書く。
なお、最後の方は文学的な抽象論が出すぎていて、少々難しかった。
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隣人
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出版社/著者からの内容紹介 直木賞受賞後第1作 バスジャック、通り魔、てるくはのる、ニュータウン……ぼくたちの夢と狂気を追った異色のルポルタージュ作品、誕生!
貴様らに楽しい連休などさせるものか ルポライターやノンフィクション作家の真似事をするつもりはない。できるとも思わない。ただ、読み物作家として、事件や状況に遅ればせながらの〈蛇足〉を付けてみたかった。そのための〈寄り道〉を、ときには〈無駄足〉の道行きを、読み物としか名付けようのないかたちで書き綴りたかった。――「まえがき」より
内容(「MARC」データベースより) バスジャック、通り魔、てるくはのる、ニュータウン…。ぼくたちの夢と狂気を追った異色のルポルタージュ。月刊総合誌『現代』に掲載された「世紀末の十二人の隣人」に大幅加筆したもの。
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