「ローマ人の物語 - 悪名高き皇帝たち」(塩野七生)、書評
カエサルが企画し、アウグストゥスが形を作ったローマ。
本書はそのあとを継ぐティベリウスから歴史でも習ったネロに至るまでの4人の皇帝の物語。
前巻の二人の天才に比べると問題はあるけれど、システムとしての帝政が機能し始め、帝国が盤石になった時代でもある。
もちろん4人の皇帝に問題はあり、特にカリグラはひどいものだと思うけれど、読んでいる限り、全部が全部悪いことばかりやっていたというわけでもないように見える。
むしろ、ティベリウスは帝政を盤石にした印象。
この後の巻の流れを象徴するように思えたのは、寛容に関する以下の記述。
寛容とは、相手に同意することではない。
同意はしないけれども、相手の存在は認めるということである。
あくまでも本書は小説なので、実際にどうかは知らないが、本書で動く模範的なローマ人は、才能の優劣はさておき、あくまでも人間と現実をみながら、それに理性的かつ柔軟に対処できる。
個人的には、つきつけられたさまざまな出来事に対して自分の中で現実的な対応策を見つけ出し、ケースバイケースで対応できるというその柔軟さこそが、人としての強さなのではないかと感じるのであった。
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ローマ人の物語 - 悪名高き皇帝たち (単行本)
ローマ人の物語 - 悪名高き皇帝たち (1)
ローマ人の物語 - 悪名高き皇帝たち (2)
ローマ人の物語 - 悪名高き皇帝たち (3)
ローマ人の物語 - 悪名高き皇帝たち (4)
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出版社 / 著者からの内容紹介
帝政を構築した初代皇帝アウグストゥス。その後に続いた、ティベリウス、カリグラ、クラウディウス、ネロの四皇帝は、庶民からは痛罵を浴び、タキトゥスをはじめとする史家からも手厳しく批判された。しかし彼らの治世下でも帝政は揺らぐことがなく、むしろローマは、秩序ある平和と繁栄を謳歌し続けた。「悪」と断罪された皇帝たちの統治の実態とは。そしてなぜ「ローマによる平和」は維持され続けたのか。
内容(「BOOK」データベースより)
帝政を構築した初代皇帝アウグストゥス。その後に続いた、ティベリウス、カリグラ、クラウディウス、ネロの四皇帝は、庶民からは痛罵を浴び、タキトゥスをはじめとする史家からも手厳しく批判された。しかし彼らの治世下でも帝政は揺らぐことがなく、むしろローマは、秩序ある平和と繁栄を謳歌し続けた。「悪」と断罪された皇帝たちの統治の実態とは。そしてなぜ「ローマによる平和」は維持され続けたのか。
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