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「1000の風―あとに残された人へ」(南風椎 訳)、書評A thousand windsという作者不詳の短い詩。 本書は、その邦訳であり、写真とともに原文と訳文の書かれた美しい本になっている。 墓の前で泣かないで。私はそこにはいません。という言葉で始まる。真ん中にストレートで投げ込まれる言葉。 後に残された人への思いを込めた、純粋で美しい詩。 一般に文学というのは、直球勝負なものよりも、小難しく書いた方が評価されることが多い。 しかし、人の心を打つのは、そんな小難しい言葉ではなく、その人の心に直接に投げ込まれるようなストレートな言葉なのではないだろうか。 下に原文を引用する。 「A thousands winds」 (Author Unknown) Do not stand at my grave and weep, I am not there, I do not sleep. I am a thousand winds that blow; When you awake in the morning bush, Do not stand at my grave and cry. (どうやら、この詩は朝日新聞の天声人語で取り上げられた詩のようだ。 調べたところ、IRAのテロで亡くなった24歳の青年が「僕が死んだときに開封してください」と両親に託していた封筒にこの詩が残されていたらしい。)
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