「仕事は楽しいかね?」(デイルドーテン)、書評
「巨富を築く13の条件」などに代表されるいわゆる成功本の要旨は、次の2つで言い表すことができる。
1.目標を設定し、それに向かって努力すること。
2.ポジティブシンキングをすること。
本書はそれを否定することから始まるという意味で、かなりおもしろい一冊。
これら二つに対して本書を貫く姿勢は、次の二つで言い表せる。
1.試してみることに失敗はない。
2.明日は今日と違う自分になる。
目標を設定することは、人間の行動を固定することであり、世の中は自分が目標を達成するのを待っていてはくれない。
だから、もっと、シンプルに今日よりも明日、明日よりも明後日、進歩することを目指せ。という。
また、とにかく遊び感覚で試してみる。ことが、どれほど重要なことかを繰り返し主張する。
新しいアイディアというのは、新しい場所に置かれた古いアイディアなのだから。
今までの成功本を否定しているようで、実はそうでもない。
むしろ、これまでのアイディアを包括し、それを言い換えながら、本質を突く。おもしろい本である。
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仕事は楽しいかね?
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出張の帰りに、大雪のため一昼夜空港のロビーに足止めされた「私」。そこで出会ったある老人に、つい仕事で鬱積(うっせき)した感情をぶつけてしまう。老人は実は、企業トップがアドバイスをほしがるほどの高名な実業家。その含蓄ある言葉に「私」はしだいに仕事観を揺さぶられていく。
本書は、将来への希望もなく日々仕事に追われる主人公が、老人のアドバイスに自己変革のアイデアを見いだしていく物語である。それは、唐突に繰り出される老人の言葉とそれを問いただす「私」の会話で展開していく。たとえば老人は「目標を立てるな」という。「私」は、目標がなければ進歩の度合いが測れず、軌道修正もできないと反論する。しかし老人は、斬新なアイデアや商品がなぜ誕生したかを説き明かし、それらが目前の課題に集中した結果であることを指摘。また、世の中は自分が目標を達成するまで待ってはくれないとも言う。そして「遊び感覚でいろいろやって、成り行きを見守る」「明日は今日と違う自分になる、だよ」などのアドバイスをおくる。
試すこと、日々変化が必要であること、偶然を見落としていること…。本書のこうしたメッセージは特別なものではないが、それを痛切に感じさせる語り口が独特である。「多くの人は他人を凌駕する人材になろうとしているけど、それを他人と同じような人間になることで達成しようとしている」などは、自分を振り返らせるのに十分である。
物語仕立てのビジネス啓発書としては「短編」の部類に入る本書。シンプルながら味わいのある1冊である。(棚上
勉)
内容(「BOOK」データベースより)
大雪で閉鎖になった空港で、偶然出会った老人の問いかけに、動揺してしまった35歳の"私"。日々の仕事にゆきづまりを感じ、未来に期待感をもてない私に、老人は一晩だけの講義を開始した。
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