|
|
「スローグッドバイ」(石田衣良)、書評もともと広告会社で働いていたという石田衣良氏が書いた恋愛短編集である。 短編集には、長篇集には無い、いくつかの利点がある。 複数の作品から構成されているため、全てが肌に合わなくても、いくつか肌にあうものがあれば満足が得られること。 無駄な部分が省かれて、小説本来のプロットと発想がより明確になること。 たとえ肌に合わないものでも、文章自体が短いため、読みきることが容易であること。 そのような理由から、短編小説という形式は、小説として比較的好きな形式の一つだ。 氏自身、初めてであったという恋愛小説集。 しかし、そのぎこちなさを感じさせない。素直に読める小説である。 最近読んできた小説が女性の作品だったせいか、男性の視点を強く感じる小説だった。 そして、僕にとって、その視点は自然で読みやすかったと言える。
|
Copyright(C) 2002 - Mitsuharu Matsumoto All rights reserved.