「スモールワールドネットワーク」(ダンカンワッツ)、書評
「新ネットワーク思考」の著者であるアルバート
ラズロ バラバシ氏と並びネットワーク科学の第一人者であるダンカンワッツ氏の著書。
6次の隔たりからスモールワールドネットワークまでのくだりは筆者自身の研究であり、内容として非常に面白い。
が、それだけでなく、科学者の嫉妬というか、ちょっと、どろどろした部分も見られてそれはそれで面白い。
例えば、本書では、「新ネットワーク思考」で強烈に触れられていたスケールフリーネットワークについてはあまり書かれていない。
最先端を行っていて、一番答えに近かったのに、アルバート ラズロ バラバシ氏に”先を越された”という悔しさが、文章の中にひしひしと感じられるのだ。
同じネットワーク科学を研究し、最先端にいても、その捉え方が大きく違うんだなぁ。と思わせる一冊である。
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スモールワールドネットワーク
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著者からのコメント
ある時、ある場所で、隣に座った他人がひょんなことから実は自分の知り合いの知り合いであることが分かり、「世間は狭いですね!(=It's
a small world!)」とつい感嘆の声をあげてしまった。このような思いがけない経験あるいは類似の経験は誰にでもあるはずである。「果たして世間は本当に狭いのか?」「もし狭いとしたらどれくらい狭いのか?」「世間が狭いとどうなるのか?」思いがけない経験を単なる偶然の出来事であるとは片付けず、『スモールワールド現象』と命名までし、答えを追い求めている科学者たちがいる(実は翻訳を担当した我々もそうなのであるが…)。
名門コロンビア大学に勤務する若く才能溢れる社会学者、ダンカン・ワッツも「世間は本当に狭いのか?」という問いに取り付かれた一人である。本書はネットワーク科学の革命児と称されるダンカン・ワッツによる『スモールワールド現象』全般に関する初の一般書である。ワッツは言う。「ネットワークの科学は、世界についての新しい考え方を与えてくれる。」本書は前半部分でネットワークの科学に関する基礎的な知識を数式を一切使うことなく与えてくれ、後半部分では豊富な例をさまざまな角度から検証することにより、現実の社会をよりよく理解するのにネットワークの科学をどのように応用するかについてが記されている。
ネットワーク ― 現代社会を語るうえで外すことの出来ないキーワード。その不思議に迫る本書を読めば、人間関係はもちろんのこと、狂牛病、鳥インフルエンザ、重症急性呼吸器症候群(SARS)、そしてコンピュータウイルスの流行から、ハリー・ポッターのヒット、株価の暴落、バブル経済の崩壊まで、実に様々な出来事の背後にひそむ『スモールワールド現象』が見えてくる。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ワッツ,ダンカン
コロンビア大学社会学部准教授。オーストラリア生まれ。1997年にコーネル大学理論応用力学科で博士号を取得。「ネットワーク科学の革命児」と称される
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