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「草原の記」(司馬遼太郎)、書評司馬遼太郎氏が語るモンゴルについての雑文。 エッセイなのか、小説なのか、時々、小説でありながら、時々、エッセイになる。不思議な文章。 司馬遼太郎氏自体は、モンゴルについてのイメージを気体のようだと表現しているが、本書で展開される文章がそのまま、その印象である。 始まりの文章が、すごく印象的だ。
空想につきあっていただきたい。
モンゴル高原が天にちかいということについてである。
そして、すべての文章が、このテンポで進むのだ。 それは、まるで、エッセイではなく、それで、ひとつの詩のように。 司馬遼太郎氏は大阪外語学校の蒙古学科を卒業されているが、そのモンゴルへの憧れが色濃く出ている印象。 草原の記は、司馬遼太郎氏の文章の中でも、もっとも詩的な雑文のひとつである気がする。
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