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「サマータイム」(佐藤多佳子)、書評とある姉弟とその友人をそれぞれ主人公とするオムニバス形式の小説四篇。 もともと、単行本として2冊に別れていたものを一冊にまとめて出版したものであるようだ。 「黄色い目の魚」や「しゃべれどもしゃべれども」、「ハンサムガール」などの作品で知られる佐藤多佳子さんのデビュー作であるらしい。 本作で著者である佐藤多佳子さんは月間MOE童話大賞を受賞されたようだ。 しかし、実際に読んでみるとこれは童話ではない気がする。 童話という言葉を辞書で調べてみると 子供のために作られた話。 とあるけれど、本書は決して子供のためだけに書かれた小説ではない。 子供、或いは、青年期の男女が主人公になっている大人も十分読める小説である。 優れた小説を読むとき、それを大人向けとか子供向けなどという風に区別するのは、多分、あまり意味のないことなのだろう。
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