数奇にして模型 森博嗣
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「数奇にして模型」(森博嗣)、書評

 「すべてがFになる」に始まる森博嗣さんのS&Mシリーズ第9弾。

 全10作のS&Mシリーズも、ようやくゴールが見えてきた。

 本作は、模型交換会とM工業大学で同じ頃におきた二つの密室殺人事件について、その謎を解くことがテーマ。

 もっとも、怪しい容疑者は、模型交換会会場で昏倒していた模型マニアの寺林高司である。

 模型交換会で殺された被害者は、筒見明日香

 M工業大学で殺された被害者は、上倉裕子

 始まりには、こうある。

 1.寺林は筒見明日香を殺していない。

 2.死んでいるのが筒見明日香であることは、首がない時点で寺林は知っていた。

 3.寺林はこの状況からどうやったら逃れられるか、それが本作の主題である。

 上記は読んでみた限り、確かに事実である。しかし、事実は、ここで言及されていることだけであることに注意が必要だ。

 読み終わってから、一瞬、なんか、ずるい気がした。

数奇にして模型 森博嗣

数奇にして模型 (文庫)

数奇にして模型 (単行本)

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内容(「BOOK」データベースより)
模型交換会会場の公会堂でモデル女性の死体が発見された。死体の首は切断されており、発見された部屋は密室状態。同じ密室内で昏倒していた大学院生・寺林高司に嫌疑がかけられたが、彼は同じ頃にM工業大で起こった女子大学院生密室殺人の容疑者でもあった。複雑に絡まった謎に犀川・西之園師弟が挑む。

  
 
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