「社長失格―ぼくの会社がつぶれた理由」(板倉雄一郎)、書評
筆者である板倉雄一郎氏は、ハイパーネットというあるベンチャー企業を経営していた。
マイクロソフト社のビルゲイツ氏と対談し、各銀行から50億円ほどの融資を受ける。
ITバブルの真っ最中、時代の寵児だった起業家である。
そして、1997年、ハイパーネットは倒産。負債総額37億円を抱え自己破産した。
本書は、上記ハイパーネットも含めた自らの起業、その経営、倒産までの過程をつづったノンフィクションである。
基本的にノンフィクションというのは筆者独自の体験であり、そのためにその多くは大変興味深いものが多いが、本書もまた、その例外ではなかった。
時代の寵児だった時代と倒産の憂き目を見た企業家の話は、体験した人自体が数少なく、それ自体が一個の小説のようで大変に面白い。
倒産の直接的な原因は、銀行の引き上げにあったようだが、振り返ってみると本書の端々で、倒産へと向かういくつかの傾向が見られており、巻き込まれている渦の大きさが個人ではどうしようもないレベルにまで短期間に高まってしまっている。
そうなる前に抑えてしまうのが良いのか、或いは、それに乗り切ってしまうべきなのか、一概には答えられないとても難しい選択だ。
なお、ITバブル期における信じられない額の融資と、その引き上げの速さはテレビなどでも取り上げられ問題となった。
確か、大ヒットしたTVゲームの「ぷよぷよ」を開発した仁井谷正充氏も銀行の引き上げにあい、ひどく苦労された旨がTVで取り上げられていたはずだ。
なお、板倉雄一郎氏は、最近では、自身の失敗談を生かしTVなどのメディアに出演されたり、コンサルタントや講師などをされているらしい。
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社長失格―ぼくの会社がつぶれた理由
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日経ビジネス 1年前のクリスマスイブに、1つのベンチャー企業が破産宣告を受けて倒産した。インターネットを使った新サービスで脚光を浴びた、ハイパーネットという企業だ。1996年3月期には売上高約7億円、経常利益約2億円を記録。大手証券会社や銀行などから融資の申し出が殺到し、米マイクロソフト社のビル・ゲイツ会長までが面会を求めてきたという"栄光"から、わずか2年足らずの間での転落劇だった。
なぜ、ハイパーネットは挫折したのか。当事者中の当事者だった「元社長」が倒産の理由を1冊にまとめたが、決して恨みつらみを述べただけの告白本ではない。著者の体験は、日本ではなかなかベンチャー企業が育たない原因がどこにあるのかを浮き彫りにしている。
米国のビジネススクールでは、事業に失敗した経営者が講師となり、体験を語る授業が珍しくないという。倒産までの過程を書き記すことで、その役目を果たそうという著者の熱意が、悔恨の念とともに伝わってくる。
(日経ビジネス1998/12/14号 Copyrightc日経BP社.All rights
reserved.) 内容(「BOOK」データベースより) おれが書かなきゃ、だれが書く。注目のベンチャー企業は、なぜ倒産したのか。迫真の告白ノンフィクション。
内容(「MARC」データベースより) 1997年12月24日、ハイパーネットは裁判所より破産宣告を受けた。負債総額37億円。注目のベンチャー企業はなぜ倒産したのか。元社長の著者が起業家としての人生を振り返りながら綴る迫真の告白ノンフィクション。
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