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「小生物語」(乙一)、書評「夏と花火と私の死体」や「ZOO」などで知られる小説家乙一さんの日記形式のエッセイ・・・なのだろうか。 乙一さん自身の生活がベースにありながら、途中から「小生」という似て非なる主人公の小説のようにもなっている。 もともとは、ホームページで掲載されていたWeb日記を書籍化したものらしい。 乙一さんの小説は、切なかったり、ホラーだったりするけれど、この本はちょっと毛色が違う。 話を読んでいる限り、話の舞台は日常的なものであり、出来事として刺激的な出来事があるわけではない。(ときどき、乙一さんらしい物語が入るけれど・・・) なのに、面白くて、思わず、一気に読んでしまった。 乙一さんは、トルコ日記。というエッセイを、今、定金伸治さん、松原真琴さんと共に書かれているけれど、そっちもかなり面白い。 多分、エッセイの面白さというのは、実際に体験した出来事自体よりも、その人の視点の面白さが決め手なのだと思う。
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