「冷たい密室と博士たち」(森博嗣)、書評
森博嗣さんのミステリ作家としての処女作「すべてがFになる」に続く、犀川、萌絵シリーズの第二弾である。
本作も前作に引き続き、密室トリックである。
森さんは、密室のトリックを、多分、数学の問題として取り扱っている。
動機や心理条件によってミステリを解くのではなく、物理的な境界条件を限定し、設定された人間の中で、それが実際に可能な人間が誰なのかを調べる。
これは、「すべてがFになる」や、そして「二人だけになった」などにも共通するやり方である。
どんなミステリでもたぶん多かれ少なかれそうなのだろうけれど、森さんの作品は特に数学としての問題設定傾向がすごく強いような気がするのだ。
森さんの小説にはUNIXに関する話題なども頻繁に出てくる。
僕にとっては、いわゆる身近な話題で結構おもしろい。
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冷たい密室と博士たち
(単行本)
冷たい密室と博士たち
(文庫)
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出版社/著者からの内容紹介
同僚の喜多助教授の誘いで、N大学工学部の低温度実験室を尋ねた犀川助教授と、西之園萌絵の師弟の前でまたも、不可思議な殺人事件が起こった。衆人環視の実験室の中で、男女2名の院生が死体となって発見されたのだ。完全密室のなかに、殺人者はどうやって侵入し、また、どうやって脱出したのか? しかも、殺された2人も密室の中には入る事ができなかったはずなのに? 研究者たちの純粋論理が導きでした真実は何を意味するのか。
内容(「MARC」データベースより)
衆人環視の実験室の中で、男女二名の院生が死体となって発見された。完全密室の中に、殺人者はどうやって侵入し、どうやって脱出したのか。研究者たちの純粋論理が導き出した真実は何を意味するのか。
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