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「超整理法」(野口悠紀雄)、書評超整理法は、"経済学者"野口悠紀雄氏を経済学会だけでなく世間一般に認知させた本で ある。 現在、氏の著作として超〜というタイトルの書籍がたくさん出ているが、本書は、そのきっかけを作った本であるともいえる。 超整理法の本質は非常に単純であり、次の数行で表せる。 書類は分類せずに封筒に入れ時間軸で並べること。(例えば、最新のものを左に置く とする) 使ったものは最新のものとして左に戻す。(すると、左にはよく使ったものが集まる ) 右に集まったものについては内容を確認の上捨てること。(なぜなら、右に集まっていくのは内容が古く使わないものであるはずだから) 何故、この方法がよいのか。そのポイントは以下に挙げられる。 整理するとき、僕たちは本能的にそれを分類しようとするが、実際には情報を「内容」で分類することは不可能であること。 (なぜなら、情報の内容は多くの場合、境界が定かでないから。) しかし、時間軸という枠組みを取り入れれば、たとえ、どんな内容の書類であっても一意に決まる枠組みに押し込むことができること。 そして、その枠組みを用いれば、まとめることは何も考えずに機械的にできること。 (なぜなら、新しい書類がきたら、それを一つにまとめればいいだけだから。) 超整理法のもっともよいところは、多分、その「自動整理能力」にある。 一般的な整理法は、整理された時がもっとも使い勝手がよい。 (例えば、名前順に本を並べたら、本を並べ終わったときが一番整理されている。) しかし、その後はシステムが崩壊する一方である。 (例えば、名前順に並べたものを元に戻さなければ、本を探し出すことができないか ら。) 超整理法は、使っていくうちにシステムの使い勝手がよくなっていく。 (最初は、時間軸で並べられていただけのものが、最近のものであるだけでなく、よ り「頻繁に使われているもの」に置き換えられていくから。) この自動整理能力は、他の整理法にはない、かなりすごいところだと思う。 基本的に、超整理法は、すべてのものを最適に検索することをあきらめている。 検索をかける時には、時間を見て、その時間をベースにして検索をかけていくから だ。(大体何月くらいの書類というのは分かっても、何月何日の書類というのは分からないことが多い。けれど、いつからいつまでの間というのは分かるので、そのうちのど こかで当たるという発想なのだ。) 何度か、封筒を見て、確認しなければ、探し当てることができないことも多いと思われる。 よく使うものは割と早く、あまり使わないものでも最悪探し出すことはできるということ。通常の整理法で目指しがちな「最適な検索」をあきらめたところに、逆に超整理法の凄みがある。 まだ、試していないが直感的にうまくいきそうな予感がしている。
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