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「嗤う伊右衛門」(京極夏彦)、書評「嗤う伊右衛門(わらういえもん)」は、僕が初めて読んだ京極夏彦作品。 京極夏彦さんは、この作品で、第二十五回泉鏡花文学賞を受賞された。 本作は、お岩さんと伊右衛門(いえもん)を主人公とした四谷怪談をベースにして、それをアレンジした小説。 もともとの四谷怪談の方を僕はきちんと読んでいないのではっきりしたことはいえないのだけれど、内容はかなり違っていると思う。 お岩さんは、顔は疱瘡でゆがんでしまったが、武士の娘として芯の通った娘。 伊右衛門は、お岩のことを深く愛する無口な武士。 京極夏彦さんの作品を今回初めて読んだけれど、とても才能のある方であるという印象。 結末の台詞にまだ消化ができてない文章があるのだが全体を通して大変おもしろかった。 これを機会に京極氏の他の本も読んでみたいと思う。 なお、タイトルは「笑う伊右衛門」ではなく、「嗤う伊右衛門」になっているので、注意されたい。
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