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「わたしと小鳥とすずと」(金子みすず)、書評詩人、金子みすず氏のもっとも有名な詩は、本書のタイトルともなっているわたしと小鳥とすずとであろう。 本書は、児童書としてタイトルである「わたしと小鳥とすずと」を含む、金子みすずの児童向け詩集である。 牛も米も人の世話を受けているのに、世話を受けていないお魚はかわいそうだとか、 大漁になって喜んでいる人間の一方で、海の中では弔いをするだろうとか、 積もった雪を三つにわけ、 上の雪はきっと寒いだろうとか、 下の雪は何人も乗せて重いだろうとか、 中の雪は何も見えず寂しいだとか、 僕たちが普段目を向けることのないものに対する詩人らしい感性が光っている。 基本的には、全ての詩が七五調にのっとって記述されていて、詩に安定感を与えている。 一度は読んでみたい詩人のひとりだったので、大変よかった。
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