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「容疑者Xの献身」(東野圭吾)、書評容疑者Xの献身は、東野圭吾のミステリィで第134回直木賞受賞作品。 東野圭吾の本は、何度かニアミスしながら、これまであまり読んだことがなかった。 色々な人に勧められ、ずっと気になっていた人なので、いい機会だと思って読んでみた一冊。 凡人は、トリック自体を複雑にして、その複雑さのために墓穴を掘る。 天才は、トリック自体は単純にして、代わりに視点を大きく変える。 というような意味のことが、本の中に出てくるのだけれど、まさにそういう印象を受けた本。 謎がそんなに複雑なわけではない。だが、問題の視点がずらされているのだ。 そして、ラストは、とても切ない。秀作だと思う。 まだ読んでいないが、どうやら本書で探偵役だった助教授湯川が探偵役になる本がほかにもいくつか出ている模様。 とても、気に入ったので続けて読んでみたいと思う人である。
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