書評と引用 自閉症だったわたしへ
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「自閉症だったわたしへ-Nobody Nowhere」(ドナ ウィリアムズ)、書評

 本書を読むまで、僕は自閉症のことを誤解していた。

 自閉症とは、生まれつきの障害によって起こる先天的なもので、例えば、多重人格などのように家庭環境が原因となるのではないものなのだそうだ。また、自閉症には、現時点で治療方法はなく、生涯治ることはないらしい。

 自閉症の人は、見たり聞いたりすることや感じることを普通の人と同じように理解することができない。

 また、症状として、ことばの発達が遅れる。人との関わり方が分からない。感じ方に一貫性がない。知的機能がかたよって発達する。活動と興味が限られる。などが現れる。

 そのため、傍から見たとき、精神遅滞や情緒障害などとよく間違えられることも多いようだ。けれど、自閉症と精神遅滞は、全く違うものであるため、区別されるべきものであるらしい。 (それぞれに接するべき方法も異なるとのことである。)

 本書は、自閉症であるドナウィリアムズ氏が、自身の半生を綴った自叙伝である。

 本書中にも記述があるが、彼女は本書を世間に発表するつもりで記述したものではない。そのためか、文章の中には、いくつか出来事に対して繰り返しに近い記述も見られる。現実の世界に対する自分の空想についての記述も随所に見られる。

 しかし、だからこそ、自閉症の人間から見た世界や感じ方などが、よく記述されている。一読に値する書籍だと言えるだろう。

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